『Lavender Quartz 境界秤動』 ができるまで - モックアップからシナリオのスタート地点まで

LM7です。

Lavender Quartz 境界秤動』に興味を持っていただき、ありがとうございます。
以下の内容には本編のネタバレは含まれませんが、
プレイ済みのほうがより楽しみやすい内容となっております。

今回は、LQ境界の制作の背景についてお話できればと思います。
本作は、24年の5月頃にノベルゲームを作ろうと思いたったことから制作がスタートしています。
なお、制作期間中もイラストレーターとしての仕事を受けながら、仕事の合間に作業をする形で多くを過ごし、最終的に作業に費やした期間は5ヶ月~半年程度だったかと思います。

さて、当初に考えていた範囲では、最悪の場合全ての作業を一人で完結させることも想定しており、
既存のノベルゲーム作成ツールを触ってみるところから始めました。
ティラノビルダーをまず試したあと、Ren’Pyを触り、原始的なプロトタイプが生まれました。

はじめてのRen’Pyプロジェクト






背景画像は過去お蔵入りしたプロトタイプの3Dマップのレンダーなのですが、それはまた別の話

この時点で主人公の名前がイコヌであることは決めていました。
なんかイヌっぽいですよね。
イコヌという響きにもなにか深遠な意味がありそうじゃないですか?
創作キャラの名前を考える時、これは私の好みですが、ちょっと変で覚えやすいこと、
舌触りがいいこと(ある程度言いやすいこと)、音節が馴染みのある単語に分割できることでカタカナの前後の入れ違えによる誤った記憶が少なくなることなどを意識しています。
まあこれはキャラが増えてくるともはやどうにもならなくなってくるのですが…
主人公の名前さえ覚えられれば最悪いいのです。

ところで、自転車に爆弾を隠す場所が存在しないって本当でしょうか?
なんだか海沿いで人生のいくらかを過ごしたことのある人間には反論されそうな気がします。

だってサーフボードを運ぶ自転車ですらある場所ではありふれたものでありうるのですから。

Youtubeのチュートリアルと格闘してなんとか実装したクリックして開けるウィンドウ

Ren’Pyのサンプルプロジェクトに含まれた善意に溢れた文章を見てください。


このように申しております


ティラノスクリプトに挫折したLM7の様子と最初期のイコヌ


キルシウムさん(仮)の正論パンチをご覧ください

キルシウム(仮)の画像も過去のプロトタイプでお蔵入りしたキャラを加工したものです。
そして名前自体本来はお蔵入りした彼女のものだったのです。
イコヌの対になるいい名前が思いつかず最終的にそのまま採用することにしました。
名前にキルとか入っているしどう考えても危ない感じがしますよね。


この時点で考えていた内容は、イコヌはある組織の職員として謎の老朽化した施設の担当者となり、
そこで謎の存在キルシウムと出会い、なんやかんや施設や前任者の謎を解き明かしながら
結末に近づいていくというものでした。

謎の存在であるキルシウムは、イコヌにとっての危険な上位存在であり、ハプニングから一緒に閉じ込められてしまうのです。
上位存在との閉じ込められシチュサバイバルサスペンス・スリラーみたいなそんな感じです。
ちょっとおもしろそうですけどね。
若干デリバティブな企画っぽすぎる気もしますけどね。

この時点でLM7のRen’Py習熟度には疑問がのこり、
今後選択による分岐などを加味すると膨らむ作業量とバグの排除には不安がありました。
閉じ込められシチュからの脱出につながるプロットもいくつかは用意しましたが、これといって特筆するほどおもしろいものではない感覚がありました。

さて、このあたりでこかむも先生の活躍により、ライターである花式葵との協力体制が枠組みとして整備されはじめ、
なんとライターである花式葵自身がRen’Pyの学習に乗り出してくれます。



花式葵によるRen’Py学習と実装してくれた演出

併せて、本編の内容もLM7の書いた断片的なセリフ、会話、シチュエーションを
花式葵が徐々にプロットとして整理してくれる体制が作られ始めます。
ここではこかむも先生もアイデア出しに参加してくださり、
イコヌとキルシウムが協力して乗り越えるシチュエーションをテーマに
いくつかのキーワードが列挙されていき、それをもとにプロットの断片をLM7が濫造していきます。
しかしながら、LQが長年にわたっていかなるメディア作品としても完成に至っていない一因として、
LM7が書いた文章を読める人間がいないという問題が常に存在したのです。
LM7の書いた文章は常に意味不明で、次の工程に進めることができない怪文書というのが一般の定説だったのです。

しかし、そこにあるひとつの不確定要素が加わります。
通称 怪文書 と呼ばれるLM7のメモを史上始めて解読できる人物・・・
それが花式葵だったのです。(シナリオ編につづく)

怪文書の例









書いた人

LM7のプロフィール画像
LM7 @__lm7__